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2023.10

インバウンドセミナー

  • インバウンド誘致に向けた取り組みを説明する高橋氏
  • タイでの旅行業について紹介する菊地氏
【開催日】 2023年10月13日

 
 一般社団法人 秋田県観光連盟様にご後援いただき、インバウンドセミナーを開催しました。本セミナーでは、インバウンド需要を秋田県内に取り込み、観光を産業の核として成長させていくため、講師に秋田・タイ観光交流特別顧問の菊地久夫氏、JR東日本グループで観光ビジネスを牽引してきた高橋敦司氏をお招きしました。
 「インバウンドで秋田の未来を明るくする」と題して高橋氏、「観光立国タイから学ぶ秋田のインバウンド」と題して菊地氏に講演していただきました。
 高橋氏は秋田県について、「日本で最も人口減少のスピードが速く、あと15年ほどで現在100万人弱の人口が70万人台にまで落ち込む」と統計データを交えて説明。人口減と高齢化を概説しながら、これらが地域経済にもたらす影響を挙げ、地域活性化につながる取り組みとしてインバウンド振興の必要性を提示しました。
 高橋氏は「定住人口1人当たりの年間消費額は約130万円とされるが、秋田県に当てはめると、10年間で1000億円以上の消費額を失っていることになる。これを埋めるには観光客を誘致するしかない」と強調し、「インバウンド観光では1回あたり25万円程度の消費が期待されており、訪日外国人を5人連れてくれば定住人口1人分の減少を補える」と事例を紹介しました。
 その上で県内観光について、「秋田犬をはじめとした地域特有の資源が数多くあり、全国の観光地と比較しても遜色ない魅力にあふれている」と評価しながらも、「海外での秋田の知名度は低く、観光資源が誘客に結び付いていない」とインバウンド向けのPR不足、アクセスの不便さや英語の対応が不十分といった問題点を指摘。「秋田ならではの魅力をアピールしながら、外国人客が旅行しやすい環境整備に取り組むことが大切。アドバンテージを生かし、観光地としてレベルアップしていってほしい」と地域ブランディングによる情報発信、受入側の体制整備の重要性を訴え、今後の秋田のインバウンド振興に期待を寄せていました。
 インバウンド振興について理解を深めるとともに、今後の観光の未来へ多くのヒントを頂けたセミナーとなりました。